婚活を始めるとき、相手にどれくらいの年収を求めるかは、誰もが一度は考えるテーマかもしれません。
特に50代になると、若い頃のように外見やその場の印象だけで判断するのではなく、「この人と安心して暮らしていけるか」といった現実的な視点が大切になってきます。
経済的な安定は、その中でも大きな判断材料のひとつです。この記事では、50代女性が婚活において相手に求める「年収」について、具体的な数字や考え方を交えて丁寧に解説していきます。
年収を気にするのは“現実的な目線”のあらわれ
「年収で相手を選ぶなんて…」とためらう声もありますが、生活をともにするパートナーを選ぶうえで、収入に目を向けるのは自然なことです。
若い頃のように、勢いだけで突き進む恋愛とは異なり、50代からの結婚には、生活設計や老後の備えといった現実がしっかりついてきます。
収入に注目するのは、自分自身の将来を守るための冷静な判断ともいえます。

参考にしたい「50代男性の平均年収」
では、実際にどれくらいの年収を基準に考えればよいのでしょうか。
厚生労働省の「賃金構造基本統計調査」(最新版)によると、50代男性(55〜59歳)の平均年収はおよそ650万円前後とされています。ただしこれは正社員全体の平均であり、職種や雇用形態、地域によって大きな差があります。
退職後の再雇用や自営業など、収入が下がるケースも多く、すべての50代男性がこの金額を得ているわけではありません。
つまり、平均年収を“目安”としつつも、「今後も安定した収入を得る見込みがあるか」「家計を共にして安心できるか」といった全体像を見ていくことが大切です。
どれくらいの年収を求める?3つの考え方
では、婚活において実際に相手にどれくらいの年収を求めるべきか──考え方は人それぞれですが、以下の3つを参考にしてみてください。
1.「自分の生活を維持できるレベル」
最も現実的なのは、結婚後に生活レベルを落とさずに済むかどうかという視点です。たとえば現在あなたが一人暮らしで年収300万円程度なら、同等またはそれ以上の相手であれば経済的不安は少ないでしょう。
2.「老後資金を一緒に備えられるか」
50代になると老後のことも視野に入ってきます。年金・貯蓄・今後の働き方なども含め、将来的な資金計画が立てられるかどうかを見極めることが大切です。
3.「頼られすぎない関係性を築けるか」
結婚後に一方が金銭的に依存する関係になると、負担が大きくなりがちです。相手がどのように働いているか、経済的な自立意識があるかも、見極めポイントになります。
“高収入”よりも“金銭感覚の相性”が大切
年収の額だけを重視してしまうと、本質を見失ってしまうことがあります。
たとえば、年収800万円の人でも浪費家であれば、家計は不安定になる可能性があります。一方で、年収400万円でも堅実に暮らしている人なら、安心して生活を共にできるかもしれません。
つまり大切なのは、「お金に対する考え方」や「支出の優先順位」が近いかどうか。共通の価値観を持つことが、豊かな生活を築く土台になります。
年収が高くても、生活に追われて心の余裕がない人もいます。反対に、そこまで多くなくても、日々を丁寧に暮らしている人の方が、共に過ごす時間があたたかく感じられることもあります。
共働きを前提とする婚活観
また、近年では「共働き」を前提とした考え方も定着してきています。お互いの収入を合わせて将来設計をすることで、現実的かつ柔軟な人生プランを描けるカップルも少なくありません。
「相手にすべてを求める」のではなく、「ふたりで築いていく」という考え方が、50代の婚活でも増えてきています。

「理想」と「妥協」の違いを見つめ直す
「理想の年収」と「納得できる暮らし」は必ずしも一致しません。年収1000万円を理想に掲げていても、実際に出会って心を通わせた人の収入が600万円だったとき、そこに納得と安心があれば、その出会いは十分に価値あるものです。
妥協ではなく、現実をふまえた柔軟な価値観の持ち方こそ、50代婚活における賢さといえるかもしれません。
まとめ|安心して歩める“経済感覚の近い人”を
婚活において年収は無視できない要素ですが、それだけで判断してしまうと、本当に大切なものを見失ってしまうかもしれません。
相手にどれくらいの年収を求めるかを考えることは、自分がどんな暮らしを望んでいるのか、そしてどんな人と支え合って生きていきたいのかを見つめ直すきっかけにもなります。
年収はあくまで一つの指標にすぎません。それ以上に大切なのは、これからの人生をどう歩んでいきたいかという、自分自身の価値観を明確にすることです。
答えは人それぞれ──けれど、自分らしくいられる未来を大切にすれば、きっとあなたに合ったパートナーに出会えるはずです。