「再婚したい」
そんな気持ちが心に芽生えたとき、最初に浮かんだのは希望よりも不安でした。
─子どもになんて言えばいいんだろう。
50代という年齢は、子どもが成長し、自分自身の人生を見つめ直す節目でもあります。
けれど、「母として」の役割が長く続いた女性ほど、「自分の幸せを優先すること」に強いブレーキがかかってしまうのです。
子どもの存在が、自分の気持ちにフタをする
「子どもが嫌がったらどうしよう」
「迷惑に思われたら」
「裏切りと思われたら…」
そんな思いが頭をよぎるたび、再婚への気持ちに自分でフタをしてしまう。
とくに、離婚や死別を経験したあと、母子で支え合ってきた時間が長いほど、その傾向は強くなります。
再婚=今の関係を壊してしまうかもしれない、という恐れ。
それは愛情があるからこその不安です。

“母親である前に、一人の人間”ということ
けれど、ふとした瞬間に感じる「誰かと一緒にいたい」という想い──
それは、決して間違ったものではありません。
誰かと支え合いたい。
ぬくもりや安心を分かち合いたい。
その気持ちは、「誰かと寄り添いたい」という、
人として自然な想いです。
これまで長いあいだ、母として、妻として、家族のために尽くしてきたあなた。
その人生を経た今だからこそ、自分自身の幸せに目を向ける時期が来ているのかもしれません。
夕暮れ時、お風呂のリラックスタイム、ドラマや映画を見て感動したときなど、
ふと「あ~私は今ひとりなんだ」と感じてしまうことはありませんか?
子どもたちにそれぞれのパートナーや家庭があればなおのこと、
その幸せを嬉しく思いながらも、どこかに置いてけぼりにされたような、そんな寂しさが胸をよぎることも。
ときどき遊びに来てくれる子どもたちを玄関で見送ったあと、
静かになった部屋の中で、ため息が出る夜もあるもの。
それでも心配は掛けたくないから、寂しいなんて口にすることはできないし・・・
友人の口からご主人の愚痴を聞かされても、
「それでも、一人よりずっといい」と、どこかで思ってしまう自分がいる─
その感情は決して特別ではなく、
同じような思いを、誰かもまた抱えているのかもしれません。
子どもにどう伝えるか──正解はひとつじゃない
「正直に話すべき?」
「反対されたらどうしよう…」
子どもに伝えるタイミングや方法に“正解”はありません。
ただひとつ大切なのは、「あなたが幸せになることが、最終的には子どもにとっても喜ばしいこと」だということ。
親が満たされている姿を見て、はじめて子どもも安心できるということは多いのです。
反対や戸惑いがあったとしても、
きちんと向き合って言葉にすることで、少しずつ理解が生まれることもあります。
婚活を始めたい自分が恥ずかしい…そんな思いに悩んだら
「この年齢で婚活なんて、笑われるかもしれない」
「いい大人が何を今さらって思われたらどうしよう」
そんなふうに、自分の気持ちを恥ずかしく感じてしまう人は少なくありません。
でも、“新しい人生を始めたい”と願うことに、年齢の制限はありません。
結婚は、ただのゴールではなく「これからの人生をどう生きたいか」を選ぶこと。
50代で婚活を始めるのは、過去を否定することでも、無理をしているわけでもありません。
これまでたくさん頑張ってきた自分だからこそ、
「本当に心地よい関係を築きたい」と思えるようになったのではないでしょうか。
その想いを、恥ずかしがる必要はありません。
婚活は、人生に真剣に向き合う人だけが選べる、尊い選択なのです。
それでも「伝えられない」と感じるときは
「どうしても怖くて言えない」
「まだ自分の気持ちがまとまっていない」
そんなときは、まず自分の中で“覚悟”を育てる時間にしてもいいのです。
結婚相談所の無料カウンセリングを利用したり、
第三者の意見を聞くことで、客観的に自分の気持ちを整理できることもあります。
一人で抱え込まず、少しずつ“心を開く練習”をしていけば大丈夫。
無理をせず、自分のペースで進んでいきましょう。

おわりに:母であることと、幸せを望むことは両立できる
母としての立場と、自分の人生を大切にしたいという気持ち。
それは、どちらかを選ばなければいけないものではありません。
「再婚したい」と思ったとき、
まずは自分の本音を否定しないであげてください。
あなたが幸せであることは、きっと子どもにとっても、かけがえのない安心になります。
家族の形はひとつじゃない。
母であることと、自分らしく生きることは、両立できます。
あなた自身の人生を、自分の手で選び取ってもいい。
その選択に、誇りを持って歩んでいけますように。